達郎書き起こしプロジェクト by ロック軍曹とサーカスタウン

2001/05/13 Sunday Song Book「リクエスト特集(5週目)」



山下達郎/夜の翼(Nightwing) 1979『Moonglow』*1
The Peppermint Rainbow/Will You Be Staying After Sunday 1969 *2
The Critters/Mr. Dieingly Sad 1966 *3
三波春夫/俵星玄蕃 1965 *4
大滝詠一 & 山下達郎/Mr. Blue 1981 *5
山下達郎/いつか(Someday) 1980『Ride On Time』*1
山下達郎/モーニング・シャイン 1991 Single c/w「さよなら夏の日」*6

*1 山下家リマスター。今度のBMGリマスターが同じ音になるとは限らないとの事。
*2 Baltimore出身、女性リードボーカルのVocal & Instrumental Group。
Produced by Paul Leka (Lemon Pipers, Left Banke, Steam等)
邦題「そよ風の日曜日」。
*3 East CoastのVocal & Instrumental Group。Rubin Coppelman Production.
リーダーのDon Cicconeは後にFour Seasonsのメンバー。
*4 TVサイズのエディット。
*5 NHK-FMの特番からの音源。オリジナルはFleetwoods。
大滝詠一が男声、山下達郎が女声二人分を担当。多重録音。
*6 達郎氏自身も大変好きだが、アルバムに入れ損なったという曲。

一節
Mr. Dieingly Sad

内容

・近況

「6/27に急遽シングルを出すことになって若干忙しい。ビールのCMで使われて
いる「So Much In Love」と、去年からNTTのCMで流れている「君の声に恋して
る」のカップリング。「So Much In Love」は歌い直したので当然リミックス。
両方ミックスしないといけないので、。明日明後日でミックスして、その次に
マスタリングして工場へ送る。次は間髪を入れずにまりやのレコーディングが
待ってまして、アルバムにもう一曲ぶっこもうかと。それのリズム録りが今週
あります。先週はブラス被せなんてのがありまして。コーラスは毎日やって。
結構つまってきました。」

 「「君の声〜」はまだミックスダウンが終わっていないので、来週から再来週
あたり。マスタリングから帰ってこないとかけられませんので。」

・BMGリマスター『Moonglow』

「アナログA面の収録時間が物凄く長いアルバムなので、カッティングレベルが
凄く低くて、冒頭の一人アカペラの「夜の翼」もLPで聞くとにじんだ感じにな
っている。今回リマスターを施してクリアーな音になった。秋口にお届けでき
ると思う。」

・BMGリマスター『Ride On Time』

「当時、アナログ盤のカッティングを新開発のカッターヘッドでやったので、
ちょっとこもっている。それが凄く心残りで、リマスターしてCDを出すときに
はアナログも出したいと思う。今カッティングしたらいい音になるんじゃない
かな。レコーディングのクオリティは『For You』とそんなに変わらないんだ
けど、お皿がちょっと抜けが悪いという、そういう思い出があります。」

・80年代軽視の風潮?

リスナー「リクエストが60年代や70年代頭に集中してのが気になる。80年代は
なかったかのようにされているのか。ひとつには音楽評論が、英米のポップ音
楽の歴史をロックンロールからパンクに至る英雄伝説にしてしまったせいでも
あるとも思う。」

「確かに80年代や90年代は比較的話題に上らないけど、基本的に私の番組は自
身の青春のリアルタイムにリンクしているので60〜70年代ばかりになる。簡単
な話で、80年代が好きな人があまり発言しないんです。結果的に我々の世代の
方がどなり声が大きいので60〜70年代の方があたかもいいような錯覚がありま
すが、80年代にももちろん優秀なものは沢山あります。いかんせん80年代にそ
だった人はなかなか音楽ライターになりにくいというか、金がもうからないと
かいろいろあるらしいです(笑)。どうしても60〜70年代の人の方が層が厚くな
ってしまう。80年代が好きな人、がんばってね(笑)。私はおじさんなので、つ
いていけませんが。」

・俵星玄蕃

 「私が三波春夫さんでもっとも好きな作品。以前、リレコのCDしか持っていな
いのでかけられないと話したが、調べた結果、大体これが最も初期の、1番目
でないにしても2番目か3番目のレコーディングだというところまで音源が確
認できました。歌謡浪曲の傑作。俵星玄蕃という人は忠臣蔵に登場する槍の名
手。四十七士の一人に杉野十平次という、そば屋に身をやつして吉良邸の動向
を探っていた人が居たが、この人と親交があって、討ち入りの当日に槍を持っ
て仁王立ちして四十七士を守ったというエピソードの持ち主だが、実は架空の
人物。昨日資料を見て、ああそうだったのか、聞いてみなきゃ分からないとい
う。このエピソードを元に三波さんが1965年に、8分になんなんとする歌謡浪曲
というコンセプトで大作をお作りになった。全部かけたいけど、今日は三波さ
んが晩年に好んでお歌いになれられたTVサイズがある。紅白歌合戦もこのサイ
ズで歌われた。オリジナルレコーディングをこのサイズに編集してお聞かせし
ます。」

・Q&A

Q「ベテランアーティストのヒット曲をあつめたCDが出ていますが、達郎さんの
曲はありませんが、まりやさんの曲はあるのですが、なぜですか?」

「実は私は『ニューミュージック大全集』とか、各社がやっている通販物のコ
ンピレーションアルバムに自分の音源を提供するのを、何十年も前から一切拒
んで今に至っております。ああいうところで十把一絡げにされるのがいやなの
で。若い頃にカタログを乱用された苦い経験があるので、そういうものを一切
承認しないやり方でやってきている。私のカタログはオフィシャルで出たもの
以外では聞くことができません。今の時代、それがプロモーションや営業の面
で+なのか−なのかわかりませんが、要は嫌いなんだから仕方がないというポ
リシーでいます。音やマスタリングの管理もできないので、そういうところに
はなるべく音を出したくないという、個人的な意図でそうなっているだけです。」

Q「伊藤銀次の「こぬか雨」が入っている『デッドリィ・ドライブ』で廃盤でど
へ行っても手に入らないが」

「ワーナーミュージックジャパンから先月ぐらいに再発になりました。お探し
ください。」


Q「邦楽シングルにあるラジオエディットとは?」

「曲が長いとラジオでオンエアされにくいので、オンエアされやすい様に曲を
短く編集します。これをRadio Editといいます。邦楽に限らず洋楽にもありま
す。先ほどの三波春夫さんのようなものを指します。」

Q「プロ野球はどこのファンですか?」

「よくいただく質問ですが、野球全然興味ないんです。すいません(笑)。あし
からず。」

 Q「曲名が英語なのにわざわざカタカナに場合がありますが、その訳は?使い分
けているのですか?」

「気分です。私に限らず全部そうです。」

今後の予定ですけど、

・5/20も「しつこい棚からひとつかみ」。
・5/27「超常連のしつこいリクエスト専用のリクエスト大会」を予定。
・予定していた「(5月病のための)元気が出る曲特集」は難しそう。



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