達郎書き起こしプロジェクト by ロック軍曹とサーカスタウン

2001/03/25 Sunday Song Book「棚からひとつかみ」



山下達郎/Ride On Time 1980 Single
Deon Jackson/Love Makes The World Go 'Round 1966 *1
Bob & Earl/Harlem Shuffle 1963 *2
The Mamas & The Papas/Twelve Thirty 1967
Scott McKenzie/Like An Old Time Movie 1967 *3
Bobby Vee/The World Down On Your Knees 1967『Come Back When You Glow Up』*4
The Carpenters/Can't Smile Without You 1976『A Kind Of Hush』*5
山下達郎/Blow 1992 Single c/w「アトムの子」,1998『Cozy』(Analog)

*1 ChicagoのR&B Singer。Original Single Stereo Version。
Dick Bartley監修のコンピ『The Original Hit Singles on the Radio
Vol.5』(Varesse Sarabande)収録。
*2 Bobby RelfとEarl Nelson(元Hollywood Flames)の二人組。
Rolling Stones(1986年)など多くのカバーがある。
Stereo Version。Arranged by Gene Page(Barry Whiteという説も)。
Varesse Sarabande『The Original Hit Singles on the Radio Vol.6』
収録。
*3 John Phillips作。「San Francisco(花のサンフランシスコ)」に続く
全米24位のヒット。
*4 Collectablesからの『Bobby Vee Meets The Ventures』との2in1より。
*5 Barry Manilowが1978年に大ヒット(邦題「涙色の微笑」)。

内容

・John Phillips追悼

「先日The Mamas & The Papasのリーダー、プロデューサ、すべての曲を手が
けたJohn Phillipsが他界しました。享年65歳。ずいぶん年をとってMamas &
Papasを始めたということがわかります。下積みが長かったということですが。
60年代のCalifornia(SF周辺)で一世を風靡いたしました。男2人、女2人の
ボーカルグループ。レーベルはDunhill。Lou Adlerというプロデューサが居
ましたが、ここのリズムセクションがこの番組ではお馴染みのHal Blaine,
Joe Osborne, Larry Knechtel、Dunhill Rhythm Sectionと呼ばれ、こちら
も一世を風靡いたしました。これに乗っけて数々のヒット曲があります。私が
中学から高校へ上がる一番多感な時期でして、さんざん聞きました。好きな曲
沢山あります。John Phillipsの曲は、すごく難解な詞とそれに比したキャッ
チーなメロディーがアメリカで大変人気があり、日本でもファンが沢山居ます。
元々はフォークグループなので、ロックンロールよりはフォークミュージック
に近いコーラスアレンジ。Beach BoysなどのJazzyなアレンジとはまた全然違
う、トリッキーで洗練された、フォークグループ上がりならではのボーカルア
レンジがまた素晴らしい。誰言うとも無く、そういうサウンドをフォークロッ
クと名づけまして。文字通りフォークロックのリーダーですね。解散してまた
再結成したり、現在はJohn Phillipsは直接は関係なくて、他のメンバーでThe
Mamas & The Papasは現在も継続されておりますが。John Phillipsは新聞記
事によるとMick Jaguarとアルバムを作る予定だったようで、その直前の死だ
ったようです。ご冥福をお祈りしまして、The Mamas & The Papasで一番好き
な曲をこれだねやっぱり。67年の「Twelve Thirty」。12時半を指して止まっ
た時計のことであります。」

「John PhillipsはNew YorkとCaliforniaの対比を歌った歌が大変多い。
Californiaに比してNew Yorkは大変暗いイメージで描かれております。New
YorkのGreenwich Villageのフォークシーンで離合集散を繰り返して、最終的
にThe Mamas & The Papasを結成してCaliforniaに移り、大成功を収めます。
当時のCaliforiniaは"夢の土地"でありまして、"Summer of Love"という67年
の、"Love Peace & Happiness", "花を持ってベトナム戦争を反対しよう"と
いう反戦の運動と音楽が絡みまして、SFやLAで一大ムーブメントが起きました。
それを文字通りリードした、指導者的な立場で音楽的に展開したのが彼らでし
た。Scott McKenzie「San Francisco」なんて有名な歌がありますけど、そう
いう思い出と共にあります。」

「このDunhillの音っていうのはさんざん聞いてきたので歌詞はほとんど覚えて
いるし、メロディーもよく覚えている。The Mamas & The Papasもコーラスを
かなりコピーした経験があるので、すごく思い出が走馬灯のように蘇って参り
ます。もう一曲かけちゃおうかなと思います。そのScott McKenzieの「San
Francisco」に続くシングルは、これはJohn Phillipsのすべての作品の中で
一番好きな1曲ですが、一転してすごくメローなラブソングです。」

「この年(1967年)の夏にThe 5th Dimensionの「Up, Up & Away」というヒッ
ト曲が出て、これがグラミーを獲るわけですが、Jim Webbの作品です。翌年
にRichard Harris「MacArthur Park」という衝撃的なJim Webbの作品ですが、
これらはすべてDunhillと同じRhythm Sectionで、エンジニアも同じ。つまり
Dunhillレーベルと同じ音で製作されているので、これがJohn Phillipsにかな
りのインパクトを与えたようです。このScott McKenzieの作品はかなりJim
Webbを意識して、そういう方へ行きたいという意思が私には見とれますが。逆
にこうしたことがThe Mamas & The Papasの活動を停滞させて、3年足らずで
解散してしまった。しかし私の青春にはDunhillのThe Mamas & The Papasは
大きなインパクトがあり、John Phillipsという人は大好きな作曲でした。記
憶にいつまでも残ることと思います。ご冥福をお祈りいたいます。」

・アナログプロモ盤3枚セットプレゼント当選者発表。3名。

・先週の大ちょんぼ(みうらさんよりご指摘の件)

「私、この番組9年近くやってきましたが、何度か大ボケかましていい加減な
事や適当な事をいったりしましたが、「成せば成る」上杉鷹山とかですね、こ
の8年半で最も大ボケをかましてしまいました。先週のギタリスト特集で上田
正樹とサウストゥサウスの「ジョージア・オン・マイ・マインド」、ギターは
"くんちょう"こと堤和美さんということでおかけしましたが、番組が終わって
から、友達から電話がかかりまして「あれ、ちゃうで。あれ、くんちょうあら
へんで。あれは石やん(石田長生)がゲストで弾いとるんや。」大阪から電話も
らいまして。私25年間ひとつも気が付かず。アルバム見たら確かにそうでした
ね。おかしいと思ったんですよ。くんちょうさんのストラトの音にしたら、ち
ょっと変だなと、ずーっと思っていたんですけど。リスナーからも間違い指摘
のお便りを戴きました。あほですね。だから一応先週のサウストゥサウスの
「ジョージア・オン・マイ・マインド」はくんちょうさん改めて石田長生のギ
ターの紹介ということで。石やん、2曲も入っちゃったよ。今後こういうこと
が無いように気をつけたいと思います。でも勘違いというのは長い間ある訳で
すね。聞いて見なきゃわからない、そういう感じであります。」

今後の予定ですけど、

・4/1は「元気の出る曲特集」



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